経験をリセットしない。案件を移りながらキャリアを積み上げる方法とは?

経験をリセットしない。案件を移りながらキャリアを積み上げる方法とは?

「同期は、もうチームリーダーになったらしい」

「気づけば2年。でも、任される仕事は入った頃とあまり変わっていない」

「このままでいいのかな、と思いながら、今日も現場に向かう」

こういう感覚に心当たりがあるなら、この記事がその整理に役立つかもしれません。

早くキャリアアップしたい。そう思ったとき、多くの人はまず「もっと頑張らないと」と考えます。資格の勉強を始める。新しい言語を触ってみる。勉強会に顔を出す。それでも半年後、思ったほど前に進んだ実感がない。やろうと思ってもなかなか続かない。

先に、結論だけお伝えします。キャリアアップのスピードを決めているのは、努力の量ではありません。「現在地」「目的地」「道のり」の3つが、どれだけはっきりしているかです。

ここがぼんやりしたまま努力をしても、キャリアアップにはつながりません。逆にこの3つが定まると、同じ1年でも積み上がるものがまったく変わってきます。

なぜそう言えるのか。順番に見ていきましょう。

この記事を書いた人

千賀 勇輝

千賀 勇輝

SENGA YUKI

株式会社Necmos 取締役

2019年株式会社ネオキャリアに新卒入社。450人の新卒から抜擢され、子会社の立ち上げに参画。その後、Web広告企業に転職した後、キャリアコーチングに出会う。過去に転職で悩んだ経験から、コーチングの重要性を痛感し、株式会社Necmosを創業。キャリア伴走型エージェント事業の統括を行い、社員へのキャリアサポートに情熱を注いでいる。

キャリアアップとは何か。「単価が上がること」ではない

役割が広がり、成果が出て、その結果として単価が動く

まず、言葉の中身をはっきりさせておきます。

あなたにとって、キャリアアップとは何でしょうか。ここがぼんやりしたまま走り出してしまうことが、遠回りのいちばんの原因だったりします。

私たちは、キャリアアップを「役割・成果・単価の向上」だと考えています。任される役割が広がる。出せる成果が大きくなる。その結果として、単価が上がる。その繰り返しがキャリアを高め続けるために必要な流れです。

本当の前進とは、発揮できる能力の幅が広がること

では、キャリアアップの根っこにあるものは何か。

それは、自分の能力を、どれだけ発揮できているかです。

発揮できる幅が広がっていくことが、本当の前進です。単価はその幅の広がりの後についてくるものです。

なので、まずはここを理解しておいてください。キャリアアップとは、発揮できる能力の幅が広がること。この定義のもとで、話を進めます。


キャリアアップが早い人が、必ず押さえている3つのこと

差がつくのは努力の量ではなく、努力の中身

たくさんのエンジニアの方とキャリアの話をしてきて感じるのは、伸びている人が特別たくさん努力しているわけではない、ということです。

違うのは量ではなく、努力の中身です。

ただひたすらに目の前のことをこなすのではなく、意味のある努力をしている。同じ1年を過ごしても、キャリアに積み上がる量がまるで違うのは、そこに理由があります。

現在地・目的地・道のり。この3つを押さえられるほど、キャリアアップは早くなる

では、意味のある努力とは何か。早い人ほど、次の3つがはっきりしています。

① 現在地 ——自分が今どこにいるのか。何ができて、どんなときに力が出るのか

② 目的地 ——どこへ向かいたいのか。何を任される人になりたいのか

③ 道のり ——そのために、日々の現場で何をどう積むのか

この3つがはっきりしているかどうかで、日々の仕事の意味は変わります。読みながら、ぜひ「自分は今どれに近いだろう?」と当てはめてみてください。

順番にも意味があります。現在地と目的地が定まって初めて、「では何をすればいいか」が決まるからです。地図アプリも、今いる場所を拾えなければ、行き先を入れてもルートは出せません。

皆さんも以下の表に準えて、自分の3つがどれだけはっきりしているのか確認してみて下さい。

ぼんやりしているとき

はっきりしているとき

目の前の仕事

とりあえずこなす

この経験が何につながるか見えている

学ぶものの選び方

話題になっているものを触る

足りないものが分かって選べる

半年後の実感

何が変わったのか分からない

できることが増えた手応えがある

案件が変わるとき

また一からだ、と身構える

次はここを伸ばそう、と考えられる

悩んでいる人ほど、誰かの正解をそのまま真似している

ところが実際には、多くの方が「道のり」から手をつけます。「何をすればいいか教えてほしい」と。

そして、世の中で正解と言われていることを、そのまま取り入れようとします。たとえば、こんな覚えはないでしょうか。

  • 流行っている言語を、とりあえず触ってみる
  • 資格を取れば評価されるはずだと、勉強を始める
  • 上流工程に行くのが正解だと聞いて、そこを目指す
  • SNSで見かけたキャリアパスを、なんとなくなぞってみる

どれも、それ自体は悪いことではありません。ただ、それが自分の現在地と目的地に合っているかどうかは、また別の話です。

誰かの正解は、その人の現在地と目的地から逆算されたものです。前提が違えば、同じ行動をとっても同じ結果にはなりません。

そして、この状態がいちばんしんどいのは、頑張っているのに手応えがないことです。サボっているわけではないから、原因も見えにくい。だから「もっとやらなきゃ」と量を足して、さらに疲れていく。

ここから抜け出すために、①から順に見ていきましょう。


①現在地。自己理解がなければ、スタート地点にすら立てない

模試を受けずに志望校を決める受験生はいない

今の自分がどのあたりにいるのかを知らなければ、どこを目指せるのかも、何が足りないのかも分かりません。だから受験生は、まず模試を受けます。

ところがキャリアになると、自分の模試を一度も受けないまま進路を決めている方が、驚くほど多いのです。自分を客観的に見るために何をすれば良いのか誰も教えてくれないからです。

「できること」ではなく「力が出るとき」を知る

現在地を知るというのは、できる技術を並べることではありません。それは職務経歴書を見れば分かります。もっと大事なのは、こちらです。

自分は、どんなときに力を発揮できるのか。

ここが分かっていないと、強みが活きない場所で消耗し続けることになります。本人は必死にやっているのに評価されない。よくあることですが、能力が足りないのではなく、得意なことと求められていることがずれているだけというケースは少なくありません。

しかも厄介なことに、強みほど自分では気づけません。自分にとっては当たり前すぎて、強みだとは思えないからです。

  • 仕様書の曖昧なところが、どうしても気になって確認したくなる
  • チームの誰かが詰まっていると、つい気になって手を貸してしまう
  • 障害が起きると、原因を突き止めるまで気持ちが落ち着かない

これらの、本人はただのクセだと思っていることは、まわりから見ると「なんでそんなに自然にできるの」と驚かれる才能だったりします。

NecmosでStrengthsFinderという自分の強みを図るツールを使っているのは、この当たり前を言語化するためです。診断結果そのものが答えなのではなく、「あなたのこの資質、前の現場のあの場面で出ていましたよね」と、具体的な場面と結びついたときに、初めて自分のものになります。

自分の強みをどう特定し、どう活かすかについては、以下のStrengthsFinderの記事で詳しく紹介しています。
キャリアを動かす力は、気づいていない強みの中にある。——StrengthsFinderとNecmosの伴走支援


②目的地。気持ちが動く方向に、目的地を設定する

偽物の目標は、しんどくなった瞬間に続かなくなる

なんとなく立てた目標。周りがそうしているから置いた目標。

こうした目標は、順調なうちは機能しているように見えます。ですが、うまくいかない時期が来た瞬間に効かなくなります。踏ん張る理由が、自分の中にないからです。

「なぜこれをやっているんだっけ」と思ったときに、答えが自分の言葉で出てこない。そうなると、努力は簡単に止まってしまいます。

だから、目的地は自分で決めるしかありません。

遠くの目標はいらない。近くの目標でいいから、まずは持つこと

とはいえ、「10年後のビジョンを描いてください」と言われても困りますよね。私たちも、そこまでは求めていませんし、先が読めない今の時代には難しい話です。

3ヶ月後、何を任されていたいか。

このくらいの粒度で十分です。設計に関わっていたい。後輩のレビューをする側に回っていたい。今の現場の仕様を、誰よりも説明できる人になっていたい。むしろこのくらいのほうが、明日の行動が変わります。

大事なのは、遠くまで見通すことではなく、何かしらの目標を持っていることです。自分の手で旗を立て続けることが本当に大事です。


③道のり。同じ稼働時間でも、1年後の経歴は別物になる

現在地と目的地が見えてくると、ようやく「何をするか」が決まります。

ここで大事なのは、行動の量ではなく中身です。同じ現場に同じ時間いても、1年後に書ける経歴はまったく違うものになります。

力がついたら任される、ではない。先に半歩上を取りに行く

多くの人は「力がついたら任せてもらえる」と考えています。ですが実際は逆で、先に役割を取った人が、あとから力をつけていることがほとんどです。

いきなりリーダーを名乗る必要はありません。半歩で十分です。

  • 実装に入る前に、仕様の意図を確認しにいく
  • レビューを受ける側から、コメントを返す側に回ってみる
  • 次の工程で困りそうなことを、先に共有しておく

この半歩が、次の現場でのスタート地点を変えます。

「なぜこの仕様なのか」を読むと、作業が業務知識に変わる

言われた通りに作るだけなら、経験は作業として消えていきます。

でも、この機能を誰が使うのか、なぜこの設計になったのかを理解しようとすると、同じ作業が業務知識に変わります。技術は現場ごとに変わりますが、業務を理解しにいく姿勢は、どこでも通用します。

そしてもうひとつ。案件が終わる前に、言葉にしておいてください。

現場を離れてから振り返ろうとしても、細部はもう思い出せません。何を任され、何ができるようになり、何が悔しかったのか。熱が残っているうちに書き留めておくだけで、その経験は次に持っていける形になります。そして次の案件を決める面談でキャリアアップのチャンスを掴むために必要になります。

経験が点で終わるか、線になるか。分かれ目は、ここです。

とあるエンジニアの変化。「断れない自分」が、信頼される強みに変わるまで

ここまでの話が実際にどう進むのか。Necmosで働いている、とあるエンジニアの歩みをご紹介します。

入社当時。人間関係でつまずき、自信を持てずにいた

彼の前職は、病院内SEでした。少人数のチームで、コミュニケーションの行き違いから衝突が続き、最終的に人間関係を理由に退職を決めています。

キャリアに伴走してくれる会社を探す中でNecmosと出会い、入社。技術的には、ネットワークを少し触れる程度でした。この先どんなキャリアを目指せばいいのかも、まだ見えていない状態でした。

現在地。「断れない」の裏にあったのは、責任感の強さだった

Necmosに入社し、最初に取り組んだのは、自分を知ることでした。StrengthsFinderと価値観分析において自身の言語化を進めると、責任感が非常に強く、人からの依頼を断ることが難しい、という傾向が明らかになりました。

現場でも、同じことが起きていました。求められたことすべてに、期待以上の成果で応えようとする。ところが抱えきれなくなると、思うような結果を出せず、「自分はダメだ」と自己否定に向かってしまう。

定期的な1on1では、なぜそうなってしまうのかを、何度も繰り返し掘り下げていきました。そこで見えてきたのは、責任感そのものは間違いなく強みだということです。任されたものを高い水準で仕上げる力がある。ただ、抱える量を自分で決められていないために、その力を出しきれていませんでした。

道のり。「できないことは、できない」と伝えてみた

そこで、一つ実験をしてみることにしました。できないことは、できないとはっきり伝える。

小さな変化に見えますが、効果は大きなものでした。必要以上に抱え込むことがなくなり、任された仕事に対して、常に高い成果を出し続けられるようになったのです。

同じ頃、目的地もはっきりしてきます。クラウドエンジニアになりたい。ただ、実務経験はありません。そこで資格の学習から始め、少しずつ上流の工程にも関われるよう準備を進めました。

知識が積み上がってきたタイミングで、現場の先輩から「クラウドを触ってみないか」と声がかかり、ここが転機になりました。

今。目的地は、更新されている

現在はクラウド環境へのリプレイスを行うプロジェクトに参画し、要件定義からリリースまで一気通貫で担当しています。

目的地も変わりました。入社当初は「クラウドエンジニアとして経験を積みたい」。今は「クラウドという技術を武器に、お客様から信頼される人材になりたい」と考えており、より一層目的地が具体的になってきました。

またStrengthsFinderの結果から、多くの現場を渡り歩くよりも、一つの現場で深い関係を築くほうが力を発揮できるタイプであると分かっています。実際、今の現場でも評価は高く、同じチームで次のプロジェクトにも一緒にしましょう。という話が出ています。

変わったのは、才能でも運でもありません。自分の現在地を知り、目的地を決め、日々の動き方を変えた。 その積み重ねです。


一人で進めるのは正直かなり難しい

ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。「言いたいことは分かる。でも、それを一人でやるのが難しいんだよ」と。

一人だと、現在地は測れず、目的地は言葉にならず、振り返りは続かない

キャリアも、まったく同じです。

現在地は、一人では測れません。 強みは当たり前の中に埋もれ、弱みは実際以上に大きく見えます。

目的地は、一人では言葉になりません。 言語化せず頭の中にあるうちは、まだ「なんとなく」のままです。

振り返りは、一人では続きません。 現場が忙しければ、真っ先に後回しになります。気づけば、また同じモヤモヤを抱えたまま、半年、一年が過ぎていきます。

専属CAとの1on1は、現在地を測り直し、意味のある行動を探す時間

だからNecmosでは、エンジニア一人ひとりにキャリアアドバイザーがつき、定期的に1on1の時間を持っています。

目的は、現状の報告ではありません。今どこにいるのかを測り直し、どこへ向かいたいのかを確認し、そのために意味のある行動は何かを一緒に探すための時間です。

  • 今月の現場で、力が出せた場面はどこだったか
  • そこから見えてきた、次の3ヶ月の目標は何か
  • そのために、来月の現場で何を変えてみるか

この問いを繰り返していくと、現在地は少しずつ精度が上がり、目的地は自分の言葉になっていきます。

Necmosはこれを「BPF」という考え方で整理しています

Necmosには、この整理を進めるための「BPF」というキャリアフレームがあります。Being(自分らしさ)、Power(強み)、Field(活かす場所)。今日お話しした現在地・目的地・道のりは、これを別の角度から言い換えたものです。詳しくはBPFの記事でお話ししています。

エンジニアのキャリアを変える。Necmos独自の「BPF」とは

そして、こうして自分に合った働き方が見えてくると、仕事は「やらされるもの」から「自分から関わるもの」へと変わっていきます。この前向きな状態を捉える考え方については、ワークエンゲージメントの記事で紹介しています。

最後に「仕事が楽しい」と思えたのはいつ?ワークエンゲージメントから考える、自分らしいキャリアの作り方

私たちのミッションは、「自分らしさが誰かのためになる世界を実現する」こと。自分らしさは、他者の視点も借りながら言語化するほうが、ずっと早く見つかります。


まずは、あなたの現在地を一緒に測ってみませんか

キャリアアップのスピードは、才能でも運でもありません。

自分の現在地を知っていること。目的地を自分の言葉で持っていること。そして、日々の行動の中身を少しだけ変えられること。この3つがはっきりするほど、同じ1年の意味が変わります。

まずは、今日の帰り道にでも考えてみてください。「3ヶ月後、自分は何を任されていたいだろう」と。それだけでも、明日の現場での過ごし方が少し変わるはずです。

転職を決めていなくていい。今の環境を、もう一度見直すことから

その問いを一人で抱えるのが難しいと感じたら、私たちと話してみませんか。

転職をすぐに決める場ではありません。むしろ最初にやってほしいのは、今の環境をもう一度見直してみることです。今いる場所で力を発揮できていないのか、それとも発揮できる余地がまだあるのか。それは、外から光を当てて初めて見えることも多いのです。

まずは30分ほど、オンラインでお話しするところから。気負わず、雑談のような気持ちでご連絡ください。

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この記事の監修者

Necmos編集部

Necmos編集部は、現場で活躍するエンジニアの声やリアルな経験に基づいた信頼性の高い情報を発信し、読者が自身のキャリア形成に役立てられるようサポートしています。 また、エンジニア一人ひとりの価値観や想いを大切にしながら、業界最高水準の給与還元を透明性の高いマージン設計で実現することで、エンジニアが安心してキャリアに集中できる環境を整えています。

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