SESのキャリア
SESエンジニアのキャリアプランの描き方|3年・5年・10年後を見据える

最終更新:2025.09.24
公開:2025.09.24
SESエンジニアとして働くあなたは、
「このままで市場価値は高まるのだろうか」
「将来のキャリアはどうなるのだろう」
といった漠然とした不安を抱えていませんか?
技術の進化はめまぐるしく、プロジェクトごとに異なる環境で働く中で、将来のキャリアプランが見えにくくなるのは自然なことです。
しかし、SESという働き方は、多様な開発現場を経験できるという大きなメリットでもあります。
本記事では、この経験を最大限に活かし、市場価値の高いエンジニアへと成長するための具体的な道筋を描く方法を解説します。
この記事でわかること
- 将来の目標を明確にし、キャリアプランを描けるようになる
- 3年、5年、10年といった中長期的な視点を持てるようになる
- 自身の市場価値を高めるための具体的な行動がわかる
Necmos編集部
Necmos編集部は、現場で活躍するエンジニアの声やリアルな経験に基づいた信頼性の高い情報を発信し、読者が自身のキャリア形成に役立てられるようサポートしています。 また、エンジニア一人ひとりの価値観や想いを大切にしながら、業界最高水準の給与還元を透明性の高いマージン設計で実現することで、エンジニアが安心してキャリアに集中できる環境を整えています。
SESエンジニアのキャリアは中長期的な視点が重要
SESエンジニアが市場価値を高めるためには、目の前の案件をこなすだけでなく、中長期的な時間軸で自分の将来を見据えることが不可欠です。
3年、5年、10年といった時間軸で段階的な目標を設定することで、日々の案件選択やスキル学習に明確な目的が生まれます。
たとえば、「将来は自社開発企業で働きたい」といった具体的な目標があれば、3年後に何をするべきか、5年後に何をするべきか、という道筋が見えてきます。
この段階的な目標設定を行うことで、日々の案件選択やスキル学習に明確な目的が生まれ、市場価値の高いエンジニアへと着実に成長していくことができるのです。
次の章では、SESエンジニアが理想のキャリアを築くための具体的なステップを、時間軸に沿って解説していきます。
3年後:土台を固め、専門性を探す

SESエンジニアとして働き始めて3年が経過する頃は、将来のキャリアの方向性を定めるための重要な時期です。
この期間に意識すべきは、特定の技術スキルを深く追求するだけでなく、エンジニアとしての市場価値を高めるための土台を固めることです。
案件を通じて多様な開発手法や業界知識を習得することはもちろん、それらを自分のスキルとして確立することが重要になります。
案件を通じて多様な開発手法や業界知識を習得する
SESの最大のメリットは、様々なプロジェクトに携われることです。
ウォーターフォールからアジャイル開発まで、また金融からECサイト、Webサービス開発など、多様な開発体制、業界のプロジェクトを経験することで、幅広い知識と柔軟な対応力を身につけることができます。
これにより、将来的にどのキャリアパスに進むにしても役立つ汎用的なスキルが培われます。
ポートフォリオを作成し、自身のスキルを可視化する
どんな案件に参画したかだけでなく、そこで何に貢献したかを具体的に示すことが、市場価値を高める上で不可欠です。
参画プロジェクトで得た経験や成果を言語化し、GitHubや技術ブログなどでポートフォリオとして可視化しましょう。
これにより、案件を変えるタイミングだけでなく、転職活動や独立の際にも、客観的な実績としてアピールできます。
スキルアップのためのインプットとアウトプットのバランスを掴む
技術の学習は、インプット(書籍やオンライン学習)だけでなく、アウトプット(実際にコードを書く、自分でサービスを開発する)まで行って初めて身につきます。
新しい技術を学んだら、簡単なツールを作成してみる、技術ブログに学んだことをまとめるなど、アウトプットを意識した学習サイクルを確立することが重要です。
5年後:キャリアパスを選択し、スキルを深化させる

SESエンジニアとして5年目を迎える頃には、これまでの多様な経験を活かし、将来の方向性を具体的に選択する時期が来ます。
この段階では、単に技術を習得するだけでなく、自分の興味や強み、そして将来の目標に合わせたキャリアパスを明確に描くことが重要です。
SESで得た幅広い経験は、あなたがどの道を選んでも大きな武器となります。
SESの経験を活かしたキャリアパスの選択肢
スペシャリストへの道
特定の技術分野を深く掘り下げ、技術コンサルタントやテックリード、アーキテクトといった専門職を目指す道です。
SESで様々な技術に触れた経験から、最も興味を持った分野や得意な技術を見極め、そのスキルを徹底的に磨き上げます。
最新のフレームワークやクラウド技術(AWS、 GCPなど)の専門家になることも一つの選択肢です。
マネジメントへの道
プロジェクトマネージャーやチームリーダーとして、技術だけでなく、チームやプロジェクト全体を動かす役割を担う道です。
SESで様々なチーム開発を経験したからこそ、異なる環境でのコミュニケーションや進捗管理のノウハウが身についています。
メンバーの育成やプロジェクトの成功に貢献したいと考える方に向いています。
独立・起業
フリーランスとして独立したり、自身のサービスを立ち上げる道です。
SESで培った多様な技術力と、複数のプロジェクトで得たビジネス感覚を活かし、より自由に働くことを目指します。
ただし、自己管理能力や営業力も求められるため、計画的な準備が必要です。
事業会社への転職
自社開発企業やプロダクト志向の企業へ転職し、長期的な視点でサービス開発に携わる道です。
SESで培った幅広いスキルは、様々な技術スタックを持つ事業会社で重宝されます。
一つのプロダクトに深く関わりたい、ユーザーの反応を直接感じたいと考える方におすすめです。
10年後:キャリアを築き、次世代を育成する

SESエンジニアとして10年が経過する頃には、これまでの経験とスキルがあなたの揺るぎないキャリアの土台となります。
この時期は、単に自分のスキルを磨き続けるだけでなく、社会や業界の変化に対応しながら、次世代のエンジニアを育成する役割を担うことも視野に入れていきましょう。
専門領域の拡大:時代の変化に合わせてスキルをアップデート
IT業界は常に進化しており、10年という時間の中で技術トレンドは大きく変化します。
これまでの専門領域をさらに深めつつも、AIや機械学習、IoT、クラウドネイティブ技術など、時代の流れを捉えた新しいスキルを継続的に学び続けることが重要です。
これにより、常に市場から求められるエンジニアであり続けることができます。
人脈の構築:新たな機会を創出
10年間のSES経験で築いた人脈は、あなたのキャリアにおける大きな財産です。
業界のコミュニティや勉強会に積極的に参加し、同業者との交流を深めることで、新たな案件の獲得やビジネスチャンスにつながることがあります。
また、異業種の人々との交流も、新しい視点やアイデアを得る良い機会となります。
メンター・教育者としての役割
あなたがこれまで培ってきた多様な経験やスキルは、これからキャリアを築いていく若手エンジニアにとって貴重な財産です。
社内のメンターとして後輩を指導したり、技術コミュニティで登壇したりするなど、教育や情報発信を通じて次世代を育成する役割を担うことで、自身の知識を体系化できるだけでなく、業界全体への貢献にもつながります。
まとめ
SESエンジニアとして将来への不安を感じていても、中長期的な視点を持つことで、キャリアを能動的に築くことができます。
3年後、5年後、10年後という明確な時間軸で目標を設定しましょう。
まずは今日から、興味のある技術の学習を始めたり、ポートフォリオを更新するなど、小さな一歩を踏み出してみましょう。
キャリアは一度きりでなく、常にアップデートしていくものです。
この記事を書いた人

青木 智大
AOKI TOMOHIRO
株式会社Necmos キャリアアドバイザー
新卒で専門商社に入社し、2年間営業職として従事。その後、株式会社Necmosへの入社をきっかけに、インフラエンジニアにキャリアチェンジを遂げる。エンジニアとして4年間働く中で、"エンジニア目線でより良いキャリア支援を行いたい"という想いからキャリアアドバイザーに転身。"エンジニア目線"を大切に、これまでの複合的な経験を活かしながら、顧客への提案からキャリア支援まで幅広く行っている。
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