SESのキャリア
SESの年収は単価で決まる|月単価80万・年収1000万を実現するための戦略とは?

最終更新:2026.06.04
公開:2026.06.04
「現場でいくら頑張っても、昇給は年に数千円だけ……」 「隣のフリーランスは自分と同じ仕事で月80万も稼いでいるのに、なぜ自分の手取りはこんなに低いのか?」
実務経験が3〜5年ほどになると、周りとの「給料の差」にモヤモヤを感じる場面が増えますよね。
実は2026年現在、AI実装や企業のDX(デジタル化)の加速により、IT業界全体のエンジニア需要と「市場単価」は過去最高水準にあります。市場全体がこれほど伸びているにもかかわらず、もしあなたの月給が30万円前後で停滞しているのだとしたら、それは個人の能力不足のせいではありません。
SESエンジニアの年収は、プログラミングの腕前以上に「客先単価(会社があなたをいくらで売っているか)」と「還元率(そのうちいくらが給料になるか)」というルールによって、ほぼ自動的に決まってしまうからです。
SESエンジニアが最初にぶつかる「単価80万の壁」を突破する戦略を知れば、同じロジックで「単価105万(年収1000万円)」まで確実に辿り着くことができます。
この記事では、今のあなたが月単価80万円を突破し、最終的に年収1000万円を現実のものにするための具体的なステップを解説します。
▼ 一般的な、月給30万から年収1000万へのロードマップ
- 【現在地】 単価50万 ⇒ 月給30万円
- 【ステップ1】 単価80万 ⇒ 月給45万〜64万円
- 【ステップ2】 単価105万 ⇒ 年収1000万円
この記事でわかること
- あなたの年収を左右する「単価」と「還元率」のシンプルな仕組み
- 月単価80万円を狙うために、今選ぶべき「技術」と「現場の条件」
- 「高還元SES」と「フリーランス」どっちが本当にお得?手残りの比較
- 「搾取される会社」を見抜き、年収1000万を狙える会社を選ぶチェックリスト
Necmos編集部
Necmos編集部は、現場で活躍するエンジニアの声やリアルな経験に基づいた信頼性の高い情報を発信し、読者が自身のキャリア形成に役立てられるようサポートしています。 また、エンジニア一人ひとりの価値観や想いを大切にしながら、業界最高水準の給与還元を透明性の高いマージン設計で実現することで、エンジニアが安心してキャリアに集中できる環境を整えています。
SESの給料が決まる「シンプルな仕組み」と現在地の把握
SESエンジニアの給与計算は、驚くほどシンプルです。 基本的には、以下の計算式で決まります。
「客先単価(あなたの売値)」 × 「還元率(会社があなたに払う割合)」 = 額面給与
年収を上げるには「自分の売値を上げる」か「会社の取り分を減らして還元率を上げる」かの2つしか道はありません。なぜ、現場でいくら努力しても給与が上がらないのか、その裏側にある構造を詳しく見ていきましょう。
なぜ努力と給与が比例しないのか?商流ごとの「会社の取り分」
SES業界には、仕事が上から下へ流れる「多重下請け」という構造があります。発注元の企業から見て、あなたの会社がどの位置にいるかによって、あなたの「単価」はあらかじめ削り取られてしまっている可能性があります。
たとえば、発注元の予算が「月100万円」だったとしましょう。
- 元請け(1次請け): 予算100万から管理費として20万引き、下請けに80万で依頼。
- 下請け(2次請け): 80万から自社の利益として15万引き、3次請けに65万で依頼。
- あなたの会社(3次請け): 届いた「65万」があなたの客先単価になる。
もし会社が「3次請け」だった場合、あなたがどれだけ神がかったスキルや実務経験が豊富でも会社に入るお金は65万円が限界です。ここからさらに「会社の取り分」が引かれるため、あなたの手取りが30万円前後で止まるのは、能力のせいではなく商流なのです。
【実践】自分の正確な「単価」を会社から引き出すためのスマートな聞き方
年収1000万への第一歩は、まず「今の自分がいくらで売られているか」を知ることです。しかし、いきなり「私の単価はいくらですか?」と聞くのは勇気がいりますよね。
そこで、会社に警戒されず、かつスマートに単価を聞き出す2つの切り出し方を紹介します。
- パターンA:キャリア相談として聞く 「将来、年収を〇〇万円まで上げたいと考えています。その目標に対して、今の私の単価だと、具体的にあとどのくらいのスキルアップが必要でしょうか?」
- パターンB:評価面談・契約更新のタイミングで聞く 「次の契約で単価アップの交渉は可能ですか? 今の正確な単価をベースに、自分の市場価値をしっかり把握して、次の目標を立てたいです」
【具体的アクションプラン】
- 次回の面談やチャットで、上記のフレーズを1つ選んで上司に伝えてみましょう。
- もし単価が「自分の想定より高い(例:80万)」のに給料が低いなら、「会社選び(還元率)」に問題があります。
- もし単価自体が「低い(例:50万)」なら、「商流(場所)」や「スキル」に問題があります。
自分の「現在地」がわかって初めて、次に打つべき一手が明確になります。
月単価80万円以上を達成するための戦略
自分の今の単価がわかったら、次はいよいよ「単価を上げるための行動」に移ります。 月単価80万円(還元率80%の会社なら年収約760万円ペース)は、一部のエンジニアだけが到達できる数字ではありません。正しい「スキル」「場所」「会社」を選ぶことで、実務経験3〜5年のエンジニアでも達成できる可能性はあります。
ここでは、今のスキルを活かしたまま単価を引き上げる「3つの環境替え戦略」を解説します。
①スキルを変える|「いま市場で高く売れる技術」へ少しずつずらす
同じ開発経験でも、需要が高く供給が少ない「モダンな技術(Go、Rust、クラウド環境など)」にスキルをずらすことで、単価は上がる場合があります。
従来のJavaやPHPの基本案件はライバルが多く単価が頭打ちになりやすい(単価50〜60万円台)ですが、DX推進で求められる「AWSを利用したインフラ構築」や「Go言語でのマイクロサービス開発」などは、エンジニアが不足しているため単価が高く設定されます。今の言語をいきなり捨ててゼロから学ぶ必要はありません。 「Javaのバックエンド開発経験」+「AWSの知識」というように、今のスキルに市場価値の高いスキルを「掛け算」する形で案件をスライドさせていくと、単価を上げる幅が広がります。
【具体的アクションプラン】
- 転職サイトやフリーランス向け案件サイトで「自分の得意言語 + AWS」や「得意言語 + Go」で検索し、単価80万以上の案件が何を求めているか(要件)をメモする。
- その要件に合わせて、資格取得(AWSソリューションアーキテクトなど)や個人開発でポートフォリオを作る。
②会社を変える|会社の「査定」ではなく「自分の売値」で給料が決まる場所へ
いくら自分の客先単価が80万円に上がっても、給料が会社の「独自の評価制度」で決まる環境にいては手取りは増えません。あなたの市場価値がそのままスピーディーに反映される「単価連動型」の給与体系を導入している会社へ移りましょう。
従来のSES企業の多くは、単価が10万円上がっても「昇給テーブルの上限」や「社内評価」を理由に、給与には数千円しか反映されません。しかし「単価連動型(高還元SES)」の会社であれば、「単価の〇〇%を必ず給与として支給する」と数式でルールが決まっているため、会社と交渉するストレスなく、単価アップがそのまま年収アップに直結します。
▼ 同じ「単価80万」でも、会社の仕組みで月給は22万円も変わる
もしあなたが現場で活躍し、客先単価が「80万円」に上がったとします。全く同じ現場で、同じコードを書いているにもかかわらず、所属する会社の給与ルールが違うだけで、あなたの毎月の給料はこれだけ激変します。
- 従来のSES企業(面倒な社内査定あり): ⇒ 月給 42万円(年収約500万円)
- 単価連動型SES(高還元SES): ⇒ 月給 64万円(年収約768万円 ※還元率80%の場合)
【具体的アクションプラン】
- いまの会社の就業規則や給与テーブルを確認し、「単価が上がったら、いくら給料が上がる仕組みか」が明記されているかチェックする。
- 不透明な場合、還元率を公開している「高還元SES」の求人を集め、今の自分のスキルでどれくらい給与が出るかカジュアル面談でシミュレーションしてもらう。
③場所を変える|中抜きの「多重下請け」から脱出して、発注元に近い現場へ
どんなに高度な技術を持っても「3次請け・4次請け(多重下請け)」の現場にいる限り、単価80万には届きません。発注元に近い「エンド直」や「元請け(1次請け)」の現場へ移動しましょう。
前の章でお伝えした通り、多重下請け構造では間に会社が挟まるごとに手数料が抜かれます。全く同じ業務、同じコードを書いていても、3次請けで入場すれば単価60万円、元請けで入場すれば単価80万円という差が生まれてしまいす。
もしあなたが現在、顧客と直接話す機会が全くなく、上流工程(要件定義など)に関われない現場にいるなら、そこは多重下請けの深い階層である可能性が高いです。
【具体的アクションプラン】
- 自社の営業担当に「次はエンド直、もしくは元請けに近い案件に入りたい」と明確に希望を伝える。
営業から「うちにはそういう案件がない」「スキルが足りない」とごまかされた場合、自社の営業力(コネクション)が低いサインと見切りをつける。
年収1000万円の壁「会社員」と「フリーランス」どっちが実現しやすい?
月単価80万円を達成し、スキルと商流を変えるコツを掴んだら、次に「年収1000万円」の大台が見えてきます。ここで必ずぶつかるのが、「このまま会社員(高還元SES)でいくか、フリーランスとして独立するか」という選択です。
結論から言うと、「手厚い保障を含めたトータルの手残り」で考えた場合、高還元SESの会社員として1000万円を目指す方が圧倒的にリスクが低く、実現難易度も下がります。 その理由を具体的な数字で紐解いていきましょう。
年収1000万へのシミュレーション|単価105万×還元率80%が「目指すゴール」である根拠
会社員のまま年収1000万円に到達するための答えはシンプルです。80万の壁を越えたのと同じロジックで「客先単価105万円の案件」に入り、「還元率80%」の会社に所属することです。
年収1000万円を12ヶ月で割ると、月給は約83.3万円です。 もしあなたの会社が「還元率80%」の単価連動型だった場合、逆算すると以下のようになります。
- 月給83.3万円 ÷ 還元率0.8 = 客先単価 約104.1万円
キリよく「単価105万円」がゴールラインです。 単価105万円は、前の章で解説した「モダンな技術」と「元請け案件」の掛け合わせをさらに進め、PM(プロジェクトマネージャー)やテックリードクラスになれば十分に手が届く「現実的な数字」です。
手取りの落とし穴|「年収1000万」でも手元に残るお金はこんなに違う
「額面」の1000万円に騙されてはいけません。フリーランスの年商1000万と、会社員の年収1000万では、税金や保険料の仕組みが違うため「本当の手残り」が変わってきます。
- フリーランスの年商1000万: ここから、国民健康保険、国民年金、そして「消費税(インボイス制度)」をすべて全額自己負担で支払う必要があります。経費の使いどころにもよりますが、実質的な手残りは約650万〜700万円まで目減りすることが多いです。
- 会社員の年収1000万: 所得税などは引かれますが、社会保険料の「半分」は会社が払ってくれています。手取りは約720万〜740万円となり、実は会社員の方が安定して多くのお金を手元に残せるケースが多々あります。
会社員の「隠れたボーナス」|社会保険や休み中の給与保証を金額換算してみる
高還元SES(会社員)には、給与明細には載らない「隠れたボーナス」が年間100万円以上存在します。
フリーランスの「自由」の裏には「リスクの全振り」があります。しかし会社員には以下のメリットがあります。
- 社会保険料の労使折半(年間約80万円の得): 会社があなたの保険料を半分肩代わりしています。
- 待機時の給与保証: 案件と案件の間に1ヶ月のブランクが空いた場合、フリーランスは「収入ゼロ」ですが、会社員は待機中も基本給が支払われます。
- 有給休暇: フリーランスが休めばその日の売上はゼロですが、会社員は休んでも1日分の単価(数万円分)が保証されます。
これらを金額換算すると、「フリーランスで単価120万」稼ぐのと、「高還元SESで単価105万」稼ぐのは、実質的な豊かさがほぼ同じと言えます。営業や確定申告の手間がない分、開発に専念できる会社員の方がコストパフォーマンスが高いのです。
【要注意】「自社開発」への転職が、年収アップの近道とは限らない理由
「SESを辞めて自社開発企業に行けば年収が上がる」という常識は、年収1000万円を目指すフェーズにおいては罠になることがあります。
自社開発企業(特にスタートアップや中小企業)は、給与テーブルが厳格に決まっています。いちエンジニアのプレイヤーとして出せる給与の上限は「600万〜700万円」で頭打ちになることが多く、1000万円を超えるにはEM(エンジニアリングマネージャー)やCTOなど「マネジメント層」になるしかありません。 一方、高還元SESであれば「単価連動」のため、純粋な技術力と現場でのパフォーマンスだけで1000万円を突破できます。「コードを書き続けながら稼ぎたい」なら、高還元SESの方が有利です。
【具体的アクションプラン】
- 自分が将来「マネジメント(自社開発等)」に進みたいか、「現場のスペシャリスト(高還元SES/フリーランス)」として稼ぎたいかを自問自答する。
- リスクを取りたくないなら、まずは「フリーランスの単価」を「会社員の保障付き」で実現できる高還元SES企業を探し始める。
失敗しない「給料の高いSES企業」を見極めるチェックリスト
年収1000万円を目指して高還元SESへの転職を決意しても、まだ油断はできません。最近は「高還元」という言葉だけを客寄せに使い、実際には中身が伴っていない企業も増えているからです。
ここでは、転職活動の求人票や面談で「絶対に確認すべき3つのポイント」を解説します。
求人票の「還元率80%」を鵜呑みにしない|会社が負担する「隠れコスト」の確認
求人票にある「還元率〇〇%」という数字だけを見てはいけません。そのパーセンテージの中に「何が含まれているか」という内訳(計算式)が重要です。
実は「還元率」という言葉には、業界の統一ルールがありません。 優良な企業は「純粋な給与+賞与」だけで高還元を実現していますが、悪質な企業の場合、会社が負担すべき「社会保険料の会社負担分」や「交通費」「本社オフィス代の一部」まで還元率の中に含めて計算し、表面上の数字だけを高く見せていることがあります。
【具体例】
- 優良企業(実質還元): 単価100万 × 80% = 80万円が「あなたの総支給額(額面)」
- 悪質企業(水増し還元): 単価100万 × 80% = 80万円から、さらに社会保険の会社負担分やシステム利用料などを引き、実際の額面は「65万円」になってしまう。
【具体的アクションプラン】
- 面接で必ず「今の私のスキルだと、単価〇〇万円と仮定した場合、毎月の総支給額(額面)は正確にいくらになりますか?」とシミュレーションを出してもらいましょう。
自分で仕事を選べるか?「案件選択権」がないと年収が伸び悩む理由
「案件をエンジニア自身が選べる制度(案件選択制度)」が明記されていない会社には、絶対に入社してはいけません。
前の章で解説した通り、単価を上げるには「モダンな技術」や「元請け案件」を選ぶ必要があります。しかし案件選択権がない会社(=会社が案件を決める会社)では、会社の利益が優先され、単価の安いレガシーな案件や、3次請けの炎上案件に強制的にアサインされる「案件ガチャ」が発生します。これでは戦略的なスキルアップが不可能です。
【具体的アクションプラン】
- 面接で「案件の提案を受けた際、エンジニア側からお断り(拒否)することは可能ですか?」とストレートに質問してください。ここで濁す会社は危険です。
面談で聞いてみよう!「どんな会社と直接取引しているか」を確認する質問
高単価を実現できる会社かどうかは、「エンド直」や「元請け」の案件をどれだけ持っているか(商流の浅さ)で決まります。
いくら還元率が高くても、会社自体が「3次請け・4次請け」の案件しか持っていなければ、元の客先単価が低いため年収は上がりません。自社で直接案件を獲得できる「強い営業力」を持つ企業を選ぶ必要があります。
【具体的アクションプラン】
- 「御社の案件のうち、エンド企業直取引や、1次請け(元請け)の案件は全体の何割くらいですか?」
- 「待機になった場合、給与は100%保証されますか?」
まとめ
いかがだったでしょうか。 SESエンジニアの給料は、個人の能力や日々の努力以上に、「単価×還元率」という業界のルールによって決まっています。
もしあなたが今の年収に不満や焦りを感じているなら、会社からの「評価」を待つ受け身の姿勢は今日で終わりにしましょう。
- まずは自分の「今の客先単価」を知る
- 「多重下請け」から抜け出し、「市場価値の高いスキル」の案件へスライドする
- あなたの単価を正当に評価し、給与に直結させる「高還元SES」へ環境を変える
月単価80万円を突破する戦略を身につければ、年収1000万円は決して一部の天才だけのものではありません。正しい仕組みを理解し、正しい場所(環境)を選べば、実務経験を持つあなたなら十分に手が届く「現実的な目標」です。
この記事を書いた人

立津 潤
TATETSU JUN
株式会社Necmos キャリアアドバイザー
前職はパーソナルトレーナーとして500名以上を担当。その経験で培った「個々の特性に合わせた目標設計」と「徹底的な伴走スタイル」を武器に、現在はNecmosにてエンジニアのキャリア支援に従事。予測困難な時代だからこそ、一人ひとりの強みや価値観を深掘りしながら市場価値を正しく認識できるよう支援。技術の先にある「その人らしい生き方」を共に描き、どんな変化にも挑戦し続けられる環境づくりを追求している。
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