SESの転職
エンジニアのポートフォリオの作成方法は?面接官が感心する題材と見せ方

最終更新:2026.07.22
公開:2026.07.13
「プログラミングの学習を一通り終えたけれど、いざポートフォリオを作ろうとすると手が止まってしまう……」 「どんなアプリを作れば、企業の採用担当者にちゃんと評価してもらえるんだろう?」
転職や案件獲得に向けてポートフォリオの準備を始めようとしたものの、評価される「題材」や「見せ方」の基準が見えず、悩んでいませんか?
実務未経験者や経験の浅い若手エンジニアにとって、職務経歴書(スキルシート)だけで自分の技術力を証明するのは非常に難しいのが現実です。だからこそ、ポートフォリオは選考を通過するための強力な武器になります。
しかし、ただチュートリアル通りに作ったポートフォリオでは、多くのライバルの中に埋もれてしまい、面接官の目には留まりません。企業の採用担当者が感心するポートフォリオには、共通する「型」があります。
この記事では、採用・面談の担当者が実際にどこをチェックしているのかという「評価基準」を徹底的に解説。その上で、フロントエンド・バックエンド・インフラという職種別の「おすすめの題材」や、迷わず完成させるための5ステップを具体的に紹介します。
この記事を読めば、何を作ればいいのかという迷いが消え、自信を持って選考へ進むための第一歩を踏み出せるようになります。焦る必要はありません。まずは「評価されるポイント」を正しく理解することから始めましょう!
この記事でわかること
・採用担当者がポートフォリオを見る「3つの評価基準」
・職種別(フロント・バック・インフラ)の評価される題材と見せ方
・迷わず完成させるための5つのステップ
・面談でがっかりされる「NGポートフォリオ」の特徴
Necmos編集部
Necmos編集部は、現場で活躍するエンジニアの声やリアルな経験に基づいた信頼性の高い情報を発信し、読者が自身のキャリア形成に役立てられるようサポートしています。 また、エンジニア一人ひとりの価値観や想いを大切にしながら、業界最高水準の給与還元を透明性の高いマージン設計で実現することで、エンジニアが安心してキャリアに集中できる環境を整えています。
職務経歴書だけじゃダメ?未経験・若手エンジニアにポートフォリオが必要な理由
エンジニアへの転職や案件獲得を目指す際、「職務経歴書をしっかり書けば、ポートフォリオはなくても何とかなるのでは?」と考える方は少なくありません。しかし、特に実務未経験者や経験の浅い若手にとって、ポートフォリオの有無は選考結果を大きく左右します。
そもそもエンジニアの「ポートフォリオ」とは?
一般的にポートフォリオとは、クリエイターが自身の能力を示すための「作品集」を指します。 エンジニアの場合のポートフォリオとは、「自分はこれくらいの技術力があり、こういうものを自力で作れます」ということを証明するための、オリジナルのWebアプリやそれを動かすプログラム、あるいはアプリを動かすためのサーバー環境のことを意味します。
未経験・若手こそ、ポートフォリオが「強力な武器」になる理由
実務経験が豊富な中堅・ベテランエンジニアであれば、過去のプロジェクト実績を記載した職務経歴書が強力な評価対象になります。しかし、未経験や若手の場合、書類に書ける実績がまだありません。
そのため、ポートフォリオは以下の3つの理由から「強力な武器」となります。
- 「現場で通用する技術力」の客観的な証明になる
「〇〇スクールで3ヶ月学びました」と口で言うのは簡単ですが、面接官は「本当に自力でコードが書けるのか?」と疑っています。ゼロからシステムを構築した実績は、知識だけでなく「形にする実行力」があることの決定的な証拠になります。 - 現場が求める「自走力(問題解決能力)」をアピールできる
一つのポートフォリオを完成させるまでには無数のエラーを乗り越える必要があります。
完成させたという事実そのものが「手取り足取り教えなくても、自分で調べて前に進める人材(自走力がある)」という強力なアピールになります。 - 希望する案件(キャリアに繋がる仕事)の選択肢を広げられる
SES(客先常駐)という働き方では、自分の実力を客観的に証明できないと、案件の選択肢が狭まり、スキルアップに繋がりくい現場に配置されてしまうことがあります。
しかし、質の高いポートフォリオを提示できれば、職種を問わず「自分が次に挑戦したいフェーズ」や「エンジニアとしてステップアップできる案件」を引き寄せやすくなります。企業の営業担当や面談官に対して、「この領域の基礎知識があり、意欲的に取り組める人材だ」と納得してもらえるため、自分の希望に沿ったキャリアの第一歩を踏み出しやすくなるのです。
【面接官のホンネ】採用担当はポートフォリオの「どこ」を見ている?
ポートフォリオを作ろうと決心した時、多くの人が「AIを使ったすごい機能を入れよう」「誰も見たことがないような画期的なアプリを作ろう」と意気込みがちです。しかし、実は企業の採用担当者が見ているポイントは、そこではありません。
よくある勘違いをまとめると、こうなります。
◆ 評価されないポートフォリオに共通する勘違い=「面接官の視点とのズレ」
よくある勘違い(失敗パターン) | 本質的に見られている評価基準 |
見た目の派手さや複雑な機能の詰め込み | ユーザーの目線でパッと見て、直感的に使いこなせる「画面と機能のわかりやすさ」 |
カリキュラムの指示通りに選んだだけの技術選定 | 「なぜその技術でなければならないか」を語れる選定理由 |
目的が曖昧な、機能のツギハギ開発 | なぜ作ろうと思ったのか、なぜその機能が必要なのかという「背景・要件定義」 |
面接官がポートフォリオを通して本当にチェックしている「3つのホンネ」を詳しく解説
①ユーザーの目線でパッと見て、直感的に使いこなせる「画面と機能」になっているか
1つ目は、採用担当者がポートフォリオのURLを開いて最初に見る短い時間で重視されるのは、高度な技術の有無ではなく、「ユーザーの目線に立ったとき、何のためのアプリで、どう使えばいいのかが画面と機能の両面でパッとわかるか」という点です。
エンジニアの本質的な役割は、コードを書くことではなく「ITの力で利用者の課題を解決すること」です。
そのため、画面の見た目(UI)だけでなく、実装されている「機能」そのものもユーザー目線で分かりやすいかどうかが、極めて重要になります。技術アピールのために不要な機能をたくさん詰め込んだ結果、操作が複雑になり、結局何ができるアプリなのか分からなくなってしまってはいけません。
ユーザーがそのアプリを使う目的に対して、「必要な機能がシンプルに、かつ迷わず使えるように親切に設計されているか」この画面と機能の引き算ができることこそが、面接官に高く評価されるポイントになります。
②「なぜその技術を使ったのか?」を自分の言葉で説明できるか
2つ目は、技術の選定理由を論理的に説明できるかという点です。
面接官が「なぜこのフレームワークやデータベースを選んだのですか?」と質問した時、「スクールのカリキュラムで指定されていたから」「ネットで流行っていると聞いたから」というような回答は評価されません。エンジニアの仕事は、課題に対して最適な技術を選ぶことでもあるため、主体的な判断力が求められます。
「このアプリは〇〇という特徴があるので、他の技術と比較した結果、最も相性の良い〇〇を採用しました」のように、目的を達成するための手段としてその技術を選んだストーリーを用意しておきましょう。
③なぜ作ろうと思ったのか?背景と目的を語れるか
3つ目は、アプリケーション自体を「なぜ作ったのか(開発背景)」、そして「なぜその機能を入れたのか」という目的です。
ここが最も面接官の心を動かすポイントになります。いくら高度な機能を実装していても、「なぜこの機能が必要なのか」という理由が曖昧なポートフォリオは、「目的のないツギハギのアプリ」に見えてしまい、面接官に響きません。
出発点は「自分のこだわり」や「個人的にどうしても欲しかった」という熱意で全く問題ありません。大切なのは、その熱意に対して「こういう問題を解決するために、この機能を実装した」というプロセス(要件定義)が言語化されているかどうかなのです。
(補足)他のエンジニアが読んですぐに理解できる「コードのわかりやすさ」も大切
画面や機能のわかりやすさに加え、裏側のソースコードも「他のエンジニアが読んだときに、何をしている処理なのかが一目で理解できるか」が重要です。実務はチーム開発。自分勝手な書き方で無駄に複雑にせず、「他の人が読むかもしれない」という配慮を持って、変数名や関数名を親切につける意識を持ちましょう。
【職種別】何を作ればいい?面接官が感心する「評価される題材」と見せ方
評価されるポイントは「どの職種を目指すか」によって異なります。
フロントエンドエンジニア編(画面の見やすさ・使いやすさを見せる)
- おすすめの題材:ReactやVue.jsを使った、1ページでサクサク動くWebアプリ(例:家計簿、学習記録、予約管理など)。まずは「誰が使うアプリなのか」がすぐ伝わる題材を選びましょう。
- 見せ方のポイント:面接官は、難しい機能よりも「初めて使う人でも迷わないか」を見ています。ボタンの位置、文字の読みやすさ、スマートフォンでの見やすさ、画面の切り替わりの速さを意識しましょう。
バックエンドエンジニア編(データの管理・安全な仕組みを見せる)
- おすすめの題材:ログイン、会員登録、投稿・編集・削除などの基本機能があるWebアプリ(例:日記アプリ、在庫管理、口コミ投稿サービスなど)。まずは「データを正しく保存・表示できる」ことを見せましょう。
- 見せ方のポイント:画面だけでなく、裏側の仕組みを説明できることが大切です。データベースの表同士の関係を表すER図や、APIの一覧を用意すると、設計を考えて作ったことが伝わります。
インフラエンジニア編(設定の理由と手順書を見せる)
- おすすめの題材:Linuxでのサーバー設定、AWS等でのシンプルな環境構築(例:Webページがちゃんと表示されるサーバーを自分で作ってみる)。まずは「手動で正しくサーバーを立ち上げ、動かせる」ことを見せましょう。
- 見せ方のポイント: 高度な自動化などに無理に挑戦する必要はありません。それよりも、自分が設定した手順をまとめた「手順書(ドキュメント)」を1枚用意することの方が大切です。面談のその場で「なぜこの設定(IPアドレスやポートなど)にしたのか」という理由を、手順書を見せながら自分の言葉で説明できればそれだけで合格点です。(※もし余裕があれば、毎日やるような簡単なコマンドを1行のスクリプトにして自動化してみる、くらいで十分です)。
面談の場でがっかりされる「NGなポートフォリオ」の特徴
- チュートリアルの「丸写し」を見せる
ネットの教材で作ったアプリをそのまま見せるのはNGです。「どこを自分で工夫したの?」と聞かれたときに何も答えられなくなります。少しでいいので「自分なりのこだわり」を足しておきましょう。 - 著作権などの「ルール違反」がある
画面にアニメの画像を使ったり、前職のコードを勝手に見せたりするのは一発アウトです。「大人のルール(コンプライアンス)が守れない人」と思われてしまいます。 - コピペばかりで「仕組み」を説明できない
ネットのコードを貼り付けただけで仕組みがわからない状態は危険です。面接官から「ここはどういう動きをするの?」と質問されたとき、言葉に詰まると一気に信頼を失います。
エンジニア向け、ポートフォリオの作り方5ステップ
Step1. 誰に何をアピールする?「目的とターゲット」を決める
まずは「誰の、どんな悩みを解決するアプリなのか」を明確にします。身近な人の不便を解消するツールや、自分の趣味を便利にするアプリなど、動機がはっきりしているものほど面接で熱意を語りやすくなります。
Step2. 自分の強みが伝わる「技術スタック・題材」を選ぶ
目指す職種に合わせて、前述した「おすすめの題材」を参考に技術を選定します。新しすぎる技術を詰め込むよりも、求人に頻出する需要の高い言語(Java、PHP、Ruby、Reactなど)を堅実に選ぶのがおすすめです。
Step3. 完璧を求めすぎずに「まずは完成」を目指して開発する
初心者が陥りがちな罠が「機能を追加しすぎていつまでも完成しない」ことです。まずは核となる機能(MVP)だけを作りきり、デプロイ(世の中に公開)して動く状態にすることを最優先にしてください。
Step4. GitHub等でソースコードを公開する
書いたコードはGitHubにプッシュして公開します。この時、コミットメッセージ(履歴のメモ)を適当に書くのではなく、「〇〇機能の追加」「バグ〇〇の修正」など、実務を意識して丁寧に書くと評価が上がります。
Step5. 面接官の目に留まる「Readme(説明書)」を作る
GitHubの「Readme(説明書)」は、ポートフォリオの取扱説明書であり、面談をスムーズに進めるための「プレゼン資料」です。面談のその場で、面接官に「このアプリはどんなもので、どこにこだわったのか」をわかりやすく伝えるために用意します。
- アプリのURL
- どんなアプリか(画面の見た目がわかる画像)
- 使った技術とその理由
- なぜ作ったのか、工夫した点
まとめ:面談の場で自信を持って語れる「強力な武器」を作ろう
エンジニアのポートフォリオは、単なる作品集ではなく、あなたの技術力とポテンシャルを証明する「強力な武器」です。
面接官が本当に見ているのは、以下の3つです。
- 画面と機能のわかりやすさ(ユーザー目線)
- 技術を選んだ理由
- 作ろうと思った背景
この3つをしっかり押さえておけば、面談のその場で「どう工夫したのか」を自分の言葉で堂々と説明できるようになります。
面談の場で「なぜ作ったのか」を自分の言葉で語れるポートフォリオは、資格や肩書きよりも強力な武器になります。まずは今日、アプリの題材を1つ書き出すところから始めてみましょう。
この記事を書いた人

麻植 翔太
SHOTA OE
株式会社Necmos キャリアアドバイザー
大学卒業後、新卒でNecmosに入社。根底にあるのは「相手の喜びが自分の喜び」という価値観であり、Necmosの「キャリア伴走」という姿勢に深くマッチし入社を決意。現在は、エンジニアの伴走者として共に未来を描く支援を行っている。「自分らしさがそのまま誰かのためになる」そんな理想的なキャリアを一人ひとりが築いていけるよう、これからも「人の喜び」を原動力に丁寧な伴走を続けていく。
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